診療内容

白内障手術体験談
多焦点眼内レンズ

千葉市50代男性 白内障体験談㊸(空港勤務・最強度近視:ミニウェル・レディ)

最近ミニウェル・トリノバの問い合わせが多いため、やや古い2019年5月の症例になりますが追加させていただきます。また、患者様のご好意により電子ファイルにて詳細な術後アンケートをいただきましたので、下記リンクよりご覧ください(PDFが開きます)。
ミニウェル術後アンケート
  
右眼は-20D、左眼は-10Dを超える最強度近視による進行した核白内障にて他院通院中の方ですが、多焦点レンズでの白内障手術にて遠方の千葉市より初診されました。
事前にインターネットなどで多焦点レンズの種類・特性についていろいろとご自分で学ばれており、空港勤務のため安全面を考慮し、見え方の質を最優先にしたレンズ選択を希望されましたので、先進医療保険加入済とのことですが、夜間ハログレアが最も少ないとされるミニウェルレディでの手術となりました。また、強度近視による視神経乳頭の変形も見られたため、今後の緑内障の発症・進行リスクを考えると、光エネルギーのロスも少ない(現時点で数値的な公表はありませんがほとんどロスはないとのことです)ミニウェルは適していると思われます。
核硬度4.0程度と非常に進行した核白内障でしたが手術は問題なく終了し、懸念された強度近視特有の術後屈折誤差も生じず、術後裸眼視力は両眼とも遠方1.5p・近方1.2と非常に良好な結果となりました。仕事面でも若い頃のように不自由なく遠近見え、起きるたび自分の視力に驚いていますと大変満足していただけました。
  
※ミニウェルをご希望される方は、見え方の質を重要視される方が多いかと思います。最近当院ではトリノバやパンオプティクスなどの3焦点と迷われてのご相談が増加傾向にありますので、参考までに下記に簡単に各レンズの特徴・違いを列記しましたので、レンズ選択のご参考にされてください。なお、学会や文献的情報のほか、当院での患者様からの術後聞き取りによる結果をふまえておりますのでご了承ください。詳細はお気軽にご相談ください。
  
ハログレア:ミニウェル << トリノバ < パンオプティクス
近方加入度数:パンオプティクス(+3.2D) >トリノバ(+3.0D) ≧ ミニウェル(+3.0D)
光エネルギーロス:ミニウェル < トリノバ(8%) < パンオプティクス(12%)

  • 術前

    右眼
    遠見:0.03(0.3)

    左眼
    遠見:0.1(0.8p)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.5p(1.5)
    近見:1.2(n.c.)

    左眼
    遠見:1.5p(1.5)
    近見:1.2(n.c)

多焦点眼内レンズ

国分寺市60代女性 白内障手術症例㊷(最強度近視・焦点深度拡張型多焦点レンズ:ミニウェル・レディ)

-10Dを超える最強度近視による白内障にて他院通院中の方で、先進医療保険未加入ですが多焦点レンズでの白内障手術希望にて紹介初診されました。
眼軸長28mmを超える長眼軸眼であり、パンオプティクスでは該当の度数が製造されていないため(製造は6.0~34.0D)、多焦点レンズ希望であれば輸入レンズにせざるを得ない旨を、単焦点レンズの選択肢も含めてご説明させていただきました。夜間運転機会はないとのことでしたが、いろいろとご自分で勉強されており見え方の質に対する意識が高い方であり、ハログレアがなく連続的な見え方に定評のあるミニウェルレディでの手術をご希望されました。
ミニウェルレディは10.0D以下の度数製造は1.0D刻みになるため(9.5Dや8.5Dの製造はありません)、遠方よりが良いか近方よりがよいか(眼鏡使用するなら遠方・近方どちらなら許容できるか)聞き取りを十分行い度数選択をさせていただきました。さらに、長眼軸眼にもかかわらず急峻な角膜(角膜屈折度が高い)をしており、術後屈折誤差のリスクも高い旨ご了承いただいての手術となりました。
白内障は核硬度4~3程度の進行した核白内障であり、強度近視特有のチン氏帯の脆弱がありましたが手術は問題なく終了しました。術後裸眼視力は右眼:遠方1.0・近方1.2、左眼:遠方1.2・近方1.2と、眼鏡やコンタクト不要の生活に大変満足していただけました。
強度近視の方で多焦点レンズご希望の方は、通常0~10D程度のlow powerの眼内レンズが必要になることが多いですが(通常の方は20D程度)、近眼の程度によっては先進医療対応のレンズは使用できない場合がありますので、まずはお気軽にご相談ください。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.09(0.7)

    左眼
    遠見:0.06(1.0)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.0(1.5)
    近見:1.2(n.c.)

    左眼
    遠見:1.2(1.5)
    近見:1.2(n.c.)

多焦点眼内レンズ

杉並区60代男性 白内障手術症例㊶(タクシードライバー:3焦点型多焦点レンズ:パンオプティクス)

2年前より白内障と指摘され他院にて経過観察されていましたが、先進医療保険適応の多焦点レンズでの白内障手術ご希望とのことで当院初診の方です。左眼の前嚢下に強い混濁を認める前極白内障による視力低下をきたしておりましたので、手術適応ありと判断させていただきましたが、ご職業がタクシードライバーとのことであり、多焦点レンズの適応に関しては慎重に検討させていただきました。まずはカーナビの距離は確保できる低加入度のレンティスコンフォートや、比較的ハログレアの生じにくい2焦点型のアクティブフォーカスをお勧めしましたが、3焦点レンズのパンオプティクスでの手術を強く希望されましたので、場合によっては術後単焦点レンズへの入れ替えの可能性もお話ししての手術となりました。
手術に関しましては、前立腺肥大のお薬を服用されていましたが、術中の虹彩緊張低下症候群(IFIS)も軽度であり、手術は問題なく終了しました。
術後は早期から裸眼で遠方1.2・近方1.0と良好な視力に大変満足いただき、懸念されていた夜間運転時のハログレアも運転には全く支障なく、気にならないレベルとのことでした。右眼の白内障は比較的軽度であり屈折度の左右差もあまりないことから、当初は片眼の手術予定でしたが、左眼の術後に右眼の手術も強く希望され、そちらも裸眼で遠方1.5・近方1.2と良好な視力に大変満足いただきました。
ハログレアの感じ方は、瞳孔径や残余乱視、感覚的な個人差のあるところですが、術後屈折度が0(正視)に近いほど、不快な自覚は少なくなるようですので、適正な目標屈折度の設定と、術後屈折誤差を生じさせないための正確な術前検査の重要性が再確認された症例となりました。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.6(1.0)

    左眼
    遠見:0.5(n.c.)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.5(n.c.)
    近見:1.2(n.c.)

    左眼
    遠見:1.2(n.c.)
    近見:1.0(n.c.)

多焦点眼内レンズ

杉並区60代女性 白内障手術症例㊵(最強度近視+核白内障・乱視用3焦点眼内レンズ:パンオプティクストーリック)

元来の強度近視で白内障と緑内障が心配とのことで初診された方です。両眼ともgrade4程度の進行した近視性の核白内障をきたしており、-10Dを超える最強度近視となっておりました。先進医療保険には未加入でしたが、多焦点レンズに興味があるとのことで、適応含めご説明させていただきました。特にスポーツや運転の機会はないけれども文庫本は眼鏡なしで読みたいと希望されたので、近方加入4.0Dの2焦点レンズのテクニスマルチと、3.2D加入の3焦点レンズのパンオプティクスを選択肢としてあげさせていただきました。適応検査として角膜波面収差(wavefront)解析を行ったところ、1.0D程度の軽度角膜乱視がありましたが、斜乱視でしたので、乱視用のパンオプティクストーリックを勧めさせていただきました。
褐色の硬い核白内障でしたが手術は問題なく終了し、術後の眼内レンズ回転もなく乱視もピッタリと矯正され、術前0.03であった裸眼遠方視力は1.5と大幅に改善されました。近方裸眼視力も1.2と良好であり、眼鏡なしで文庫本も読めることに大変満足していただけました。
多焦点レンズでの不満例の多くは残余乱視によるものが多いと思われます。乱視でも眼内レンズで治せる正乱視と、治せない不正乱視があり、不正乱視成分が多ければ多焦点レンズには不向きとなりますので、角膜形状解析は多焦点レンズの適応有無の判断に非常に重要な検査となります。
また、正乱視でも縦ブレ(直乱視)・横ブレ(倒乱視)・斜めブレ(斜乱視)があり、同じ乱視度数でも直乱視は視力に影響少ないですが(通常1.0D程度の直乱視には乱視用レンズは用いません)、特に横ブレ・斜めブレは術後の見えにくさに大きく影響しますので、乱視用眼内レンズで矯正してあげることが、多焦点レンズでの満足度を高めるには必須かと思われます。当院では角膜形状解析としてトポグラフィーのほか、波面収差(wavefront)解析も行い乱視の部位・タイプを診断しておりますので、乱視でご心配な方はお気軽にご相談ください。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.03(0.9p)

    左眼
    遠見:0.03(0.9)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.5p(1.5)
    近見:1.2(n.c.)

    左眼
    遠見:1.5(n.c.)
    近見:1.2(n.c.)

多焦点眼内レンズ

杉並区60代女性 白内障手術症例㊴(皮質白内障+遠視・3焦点型多焦点レンズ:パンオプティクス)

半年ほど前より左眼の見えにくさを自覚し、他院にて左眼の白内障を指摘されたとのことで手術相談にて初診された方です。保険のお仕事をされおり、当初より先進医療保険を利用した多焦点レンズでの手術を検討されておりました。左眼優位の皮質白内障のほか+2.0D程度の遠視による強い老眼の訴えもあり、仕事がら近見はシッカリ見たいとの希望でしたので、近見加入+3.2Dの最新の先進医療適応である3焦点レンズPanOptix(パンオプティクス)を先行使用しての手術をご提案させていただきました。
軽度散瞳不良眼でしたが手術は問題なく終了し、手術翌日から遠近とも裸眼1.2と非常に良好な視力に大変満足していただけました。白内障手術される方としては比較的若い年齢の方でしたが、やはり術後の視力の立ち上がりの良さは、年齢の影響を感じます。
3焦点レンズPanOptix(パンオプティクス)は、この方のように夜間運転機会もなく眼鏡依存度を減らしたい方にはとても良い眼内レンズだと思われますが、懸念されるハログレアも2焦点レンズとほぼ同等であり、光エネルギーロスは2焦点レンズよりも少ないと報告されております。当院では運転されている方にも使用歴がありますので、手術やレンズ選択について迷われている方はお気軽にご相談ください。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.4(0.8)

    左眼
    遠見:0.4(0.5)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.2p(1.5)
    近見:1.2p(1.2)

    左眼
    遠見:1.2(1.5)
    近見:1.2(n.c.)

多焦点眼内レンズ

西東京市50代女性 白内障手術症例㊳(レーシック後・左眼:3焦点型多焦点レンズ:パンオプティクス)

片眼のLASIK後の白内障ですが、眼内レンズ度数計算が困難とのことで、紹介の紹介で近隣中核病院から初診された方です。左眼はグレード3程度の核白内障のほか瞳孔領を覆う皮質白内障により視力0.2(0.5)まで低下をきたしておりました。当初は単焦点レンズにてお話を進めておりましたが、お仕事でパソコン使用頻度が高く、LASIK眼でしたが角膜高次収差も少なかったため、多焦点レンズの選択肢をお話しさせていただきました。先進医療保険に加入しており運転機会もないことより、ご相談の結果、先進医療保険対応の最新の3焦点レンズであるパンオプティクス(PanOptix)を希望されました。
LASIK眼であるため眼内レンズ度数の術後屈折誤差のリスクをふまえ説明させていただいたところ、近方優位の見え方を希望されましたので、OPD-scanでの角膜屈折度とLASIK前の屈折度情報を使用して眼内レンズ度数を決定させていただきました。
術者としては手術はもちろんですが、LASIK眼の白内障手術翌日の検査では、屈折誤差がないかとりわけドキドキします。LASIKを受けている方は、もとより見え方の質に対し意識が高い方が多いので心配でしたが、懸念されていた術後屈折誤差も生じず、近見・遠見とも裸眼1.0程度の視力に大変満足いただきました。そして術後は、僚眼である右眼の近見視力が0.4と不良であることが気になると言われ、そちらの手術もさっそくご予約いただきました。
最近の学会誌には、来年2020年の春頃で多焦点眼内レンズの先進医療適応がなくなる見通しであるため、駆け込み手術が殺到して現場が混乱しないように注意喚起が掲載されておりました。先進医療保険を利用して多焦点レンズでの手術を検討されている方は、ご注意とともに余裕をもって早めにご相談ください。

  • 術前

    右眼
    遠見:1.2p(1.5)
    近見:0.4(1.0)

    左眼
    遠見:0.2p(0.5p)
    近見:0.4(0.5)

  • 術後

    右眼
    手術なし

    左眼
    遠見:1.2(n.c.)
    近見:1.0p(1.0)

多焦点眼内レンズ

世田谷区70代女性 白内障手術症例㊲(遠視眼・3焦点型多焦点レンズ:パンオプティクス)

当院で手術を受けた保険のお仕事をされている友人から勧められたとのことで、多焦点レンズを用いた白内障手術希望にて初診された方です。昨年から遠くも近くも見えにくいとの訴えで、年齢相応の白内障に加え遠視化もきたしており、両眼とも矯正しても0.3~0.4程度の視力に低下しておりました。
運転機会もなく先進医療対応の3焦点レンズであるパンオプティクス(PanOptix)での手術を希望されましたが、近見での事務作業を優先させたいとのことで、非優位眼は目標屈折度をやや近方優位に設定させていただきました。
短眼軸長の方でしたが手術は問題なく終了し、術後屈折誤差もなく両眼視で遠方1.5、近方1.2の裸眼視力に大変満足していただけました。パンオプティクスの近方焦点距離は約40cmとなりますので、30cmの距離はやや見えにくいと思われます。この方のように小柄な方は、一般的とされる読書距離よりもやや近い距離で見ていることが多いですので、術前にきちんと希望距離を把握しておくことをお勧めいたします。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.3(0.4)

    左眼
    遠見:0.3(0.4)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.2(n.c.)
    近見:1.5(n.c.)

    左眼
    遠見:0.9(1.0)
    近見:1.0(1.2)

多焦点眼内レンズ

練馬区40代女性 白内障手術症例㊱(外傷性白内障・片眼:乱視用3焦点型多焦点レンズ:パンオプティクストーリック)

他院にて片眼の外傷性白内障を指摘され、手術目的にて初診された方です。高校生の頃に交通外傷に遭われ9年前から左眼の外傷性白内障を指摘されていたとのことですが、強い前嚢線維化と後嚢下混濁を認め、視力0.2(矯正不能)に低下しておりました。白内障のほかにも左眼のみ強い角膜乱視を認め、原因は不明ですが片眼性であることからこちらも外傷の影響が疑われました。
まだ40代ということもあり老眼鏡使用には抵抗があるとのことで、当初より先進医療保険を利用した多焦点レンズでの手術をご希望されていました。乱視が強いため乱視矯正効果に安定感のあるアクティブフォーカス・トーリックでの手術を予定しましたが、手術予定日の2週間ほど前に当院が3焦点レンズであるパンオプティクス(PanOptix)の先行使用施設に認定されたとの案内があったため、こちらから選択肢が増えたことを連絡させていただき再度ご相談となりました。
もともと10月末に3焦点レンズが発売される旨は事前にお話していたのですが、それまで見えない状態は耐え難いととのことで、2焦点レンズで早めの手術を希望されていました。外傷性白内障は進みだすと進行が早いため、術者としては安全なうちに早めに手術したいのですが、当初の予定よりも早く3焦点レンズであるパンオプティクス(PanOptix)での手術が可能ならばと延期しての手術となりました。
外傷性に加え、前房深度の左右差が1mm以上ありチン小帯脆弱が予測されたため、場合によっては乱視用のパンオプティクス・トーリック(PanOptix Toric)は使用できない可能性もあり、念のため通常のパンオプティクス(PanOptix)と、単焦点レンズの3種類のレンズを用意しての手術となりました。
術中は予想よりもチン小帯はしっかりしており、CTR(補助リング)も使用せず、予定通りパンオプティクス・トーリック(PanOptix Toric)を使用して無事手術を終えることができました。
術翌日は近見視力0.7程度とやや不良でしたが、術後2ヶ月経過した現在は、裸眼視力で遠方1.2・近方1.0と、手術したのも忘れるくらいだと大変満足していただいております。
アルコン社の3焦点レンズ・パンオプティクス(PanOptix)は、夜間のハログレアが気にならなければ、眼鏡を使用したくない方には最も向いている先進医療対応多焦点レンズだと思われます。その他、ジョンソン&ジョンソン社も2焦点のテクニスマルチと、焦点深度拡張型のシンフォニーを合わせたような新しい多焦点レンズ(TECNIS Synergy)を海外では発表しており、良好な結果が報告されています。

多焦点レンズの進歩は早いため、より良いレンズをと考えるとなかなか手術タイミングの決定が難しいと思われます。手術を検討されている方には、白内障進行に伴う手術リスクをふまえてアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.9p(1.2)

    左眼
    遠見:0.2(n.c.)

  • 術後

    右眼
    手術なし

    左眼
    遠見:1.2(1.5p)
    近見:1.0(1.5)

多焦点眼内レンズ

杉並区50代女性 白内障手術症例㉟(最強度近視・片眼:乱視用3焦点型多焦点レンズ:パンオプティクストーリック)

飛蚊症と光がまぶしく感じるとのことで白内障手術相談にて初診された方です。-10Dを超える最強度近視であり核白内障に加へ右眼は前嚢下に強い混濁がありアトピーや外傷も疑われましたが、いずれもで心当たりはないとのことでした。普段はソフトコンタクトレンズを使用されておりましたので、ご希望どおり、まずは右眼のみの手術を予定させていただきました。
先進医療保険加入であり多焦点レンズを用いをご希望されており、運転機会はなく事務仕事を優先されたいとのことでしたが、強度近視に加え3.0D以上の強い角膜乱視もありましたので、乱視用のパンオプティクストーリック(PanOptix toric)をご提案させていただきました。
術前の乱視軸のマーキングのときから非常に緊張されていましたが手術は問題なく終了し、懸念された強度近視眼特有の術後屈折誤差も生じませんでした。術前0.08(0.4)だった視力は、術後裸眼で遠方1.2、近方1.2pと劇的に改善し、コンタクトレンズを使用しない生活に大変満足され、術後にはさっそく左眼の手術も予約していただきました。
私自身が手術を受けてるわけではないので、患者様から術後の感想を聞くことでしか実際の評価はできませんが、手術する側としてパンオプティクスを使用して特に感じることは、術後診察時の眼底の見え方が、他の多焦点レンズに比べてとても良いことです。こちらから眼底がよく見えるということは、患者様側からも同様のクオリティーでよく見えているのだろうと思われます。パンオプティクス(PanOptix)は最新の先進医療認定の3焦点型多焦点レンズであり、現時点ではそれほど情報も多くないと思われますので、随時情報をアップデートさせていただきます。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.04(0.4)

    左眼
    遠見:0.04(0.9p)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.2(1.5)
    近見:1.2p(n.c.)

    手術なし

多焦点眼内レンズ

杉並区60代男性 白内障手術症例㉞(右眼:3焦点眼内レンズ:パンオプティクス/左眼:アクティブフォーカス)

1年以上前に遠くも近くも見えにくいとのことで白内障相談で初診された方です。当時はまだ白内障も軽度で眼鏡矯正にて対応できたため、手術はお勧めせず経過観察とさせていただきましたが、このたびさらに見えにくくなり、お仕事である運転にも支障が出はじめたとのことで再診されました。遠視眼であり老眼も強く、皮質白内障が進行し矯正視力も低下していたため手術適応ありと判断しました。先進医療保険を利用して多焦点レンズでの手術を希望されましたが、職業ドライバーであり夜間の光のにじみの運転への影響が懸念されましたので、先進医療適応レンズの中では最もハログレアが少ないと思われるアクティブフォーカスでの手術をお勧めさせていただきました。ご本人は最新の3焦点型多焦点レンズであるPanOptix(パンオプティクス)も捨てがたいとのことでしたが、理論的には焦点数が増えるとハログレアも増えてしまうため、夜間運転のある職業ドライバーの方には向かない可能性があります。その旨をご理解いただき、安全策として、まず左眼はアクティブフォーカスで手術を行い、ハログレアが気にならなければ右眼はPanOptix(パンオプティクス)というプランで手術にのぞみました。
左眼術後、やや近方の見え方が心もとないが、夜間運転時でも特にハログレアは気にならず運転にも支障がないとのことでしたので、右眼はパンオプティクスでの手術となりました。結果としてパンオプティクスの右眼は遠方1.5p,近方1.2pと遠近とも良好な視力に大変満足いただきました。アクティブフォーカスの左眼も遠方1.2,近方0.9と良好ですが、近方視力の差はレンズの加入度数の差=0.75D(パンオプティクス+3.25D,アクティブフォーカス+2.5D)によるものと思われます。懸念していたハログレアは、片目ずつで見るとやはりアクティブフォーカスよりもパンオプティクスの方がやや多い(特にハロ)とのことでしたが、運転に支障がでるほどではないとのことでした。
PanOptix(パンオプティクス)は現時点で先進医療認定の唯一の3焦点型多焦点レンズとなります。焦点距離の理論値は遠方・60cm・40cmとなりますが、実測値としては焦点間の視力の落ち込みもほとんどありません。唯一の懸念事項はハログレアとなりますが、こちらは2焦点型レンズのレストアとほぼ同様と言われておりますので、3焦点レンズの中では少ない方となります。国内発売は10月末の予定ですが、当院は先行使用施設に認定されているため既に先進医療対応として使用可能です。夜間運転機会が少なく、なるべく眼鏡使用頻度を減らしたい方などに向いていると思われますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

  • 術前

    右眼
    遠見:0.6(1.0)

    左眼
    遠見:0.4(0.6)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.5p(1.5)
    近見:1.2p(1.2)

    左眼
    遠見:1.2(1.5)
    近見:0.9(1.0)