【白内障手術症例No.95】 横浜市60代男性 強度近視 WELL Fusionシステム=(右眼:プログレッシブ型多焦点レンズ:ミニウェル・プロクサ+左眼:ミニウェル・レディ)
最近、再びお問い合わせが増えてきましたので、久しぶりにMiniWELL Ready(ミニウェルレディ)/MiniWELL PROXA(ミニウェルプロクサ)のWELL Fusion システムの症例を掲載いたします。
患者様は強度近視で、術前アンケート結果には「眼鏡はかけたくない」と欄外に太字で記載があり、ご希望の優先度も近方>中間>遠方の順であったため、当初は近方・中間を確実に確保できる3焦点レンズを第1候補として検討しておりました。しかし、患者様からミニウェルを用いたWELL Fusion システムでの手術のご希望がありました。
当院は、これまでのミニウェルの使用実績が評価され、先行使用施設として5年前に国内初のWELL Fusionを実施した施設です。WELL Fusionでは一般に、優位眼にミニウェル、非優位眼にプロクサを使用し、優位眼から先に手術を行うことが推奨されています。
本症例では、先行して手術を行った左眼(優位眼)のミニウェルは、術後裸眼視力が遠方1.5p/近方1.2と非常に良好でした。一方、右眼(非優位眼)のプロクサは遠方0.7~0.9/近方1.5と、近方視力は良好であるものの、遠方視力が不安定さがみられました。
そこで術後半年の時点で、ORAシステム併用 角膜輪部減張切開(ORA system-guided LRI)を施行し、残余乱視をゼロにすることで、最終的に遠方1.5/近方1.2と、良好で安定した裸眼視力を得られ、患者様にも大変ご満足していただけました。一方でプロクサは通常のミニウェルよりも乱視耐性少ないことも示唆されました。なお、当時はまだ乱視用のミニウェルプロクサは発売されておりませんでしたが、現在は既に一般発売されておりますので、ご安心ください。
今回はミニウェル症例の掲載が3年ぶりとなってしまいましたが、その間も当院ではミニウェルおよびプロクサを継続して使用しております。当院がミニウェルの使用を開始した8年前に比べ、現在は取り扱う医療機関も格段に増え、SNSの普及も相まって、患者様からのお問合せに加え、他院から目標屈折度設定についてご相談をいただく機会も増えてきており、患者様がより良い医療にアクセスできる環境が広がっていることを、大変嬉しく思います。
一方で、いくら高機能のレンズであっても、白内障による視力障害がほどんどない状態で行う手術、いわゆるRefractive Lens Exchange(RLE)については、当院は一貫して推奨しておりません。もちろん、強度近視の方や、老眼により調節力が低下・消失した後の方ではメリットが大きい場合もあります。
しかし、当院に術後トラブルで受診される方の中には、手術に伴うデメリット(術前より劣る点)について十分に理解されないまま手術を受けられたことが一因となっているケースも少なくありませんので、何卒ご留意くださいますようお願いいたします。




