【MINI WELL PROXA Toric(乱視用ミニウェルプロクサ)先行使用のお知らせ】
Clareon Viviti Toric (ビビティトーリック)に続き、乱視モデルの登場が続きます。
自由診療レンズになりますが、MINI WELL PROXA(ミニウェルプロクサ)の乱視モデルであるミニウェルプロクサトーリックを先行使用しております。
ミニウェルプロクサは、ミニウェルレディ同様ハロ・グレアといった異常光視症を抑えつつも、近方30cm程度まで見えることを実現しているプログレッシブ型の焦点深度拡張型レンズであり、片眼にミニウェルレディ、もう片眼にミニウェルプロクサを使用するWELL Fusion Systemを採用することで、遠方から30cmまで連続的なクオリティの高い視力を可能としています(症例はこちら)。
ミニウェルよりも近方が良く見えるぶん、異常光視症のリスクはミニウェルより多く、より繊細な度数設定と正確な乱視コントロールが必要になるレンズであり、これまでは希望者がいても残余乱視のため適応外になることも多々ありましたが、このたび乱視モデル(トーリック)が加わることで適応の方が広がると思われます。
乱視度数の範囲も下図のように1.0D~4.5D(角膜面で0.65D~3.0D)と軽度の乱視にも対応しておりますので、ご興味のある方はご相談ください。
これまでの使用経験上、ミニウェルプロクサは、最も近方まで見える多焦点レンズの1つですが、いかなる眼内レンズも天然の水晶体の機能には劣ります。先日、都内眼科で両眼ミニウェルレディでの手術を勧められたレーシック眼の50代の方が、あまりにも高額のため迷っているとセカンドオピニオンで受診されました。その方の遠方矯正視力は右1.5p/左1.5、屈折値は右-3.5D/左-2.5D程度の近眼であり30cm付近は裸眼で良く見えている方でしたので、ミニウェルでは確実に近方裸眼視力は現在より低下する可能性が高いと思われました。白内障も右眼優位に軽度の皮質混濁は認めましたが上記のように矯正視力も良好であり、手術によりコントラスト感度は改善すると思われますが、こちらからは積極的に手術を勧めるレベルではありませんでした。価値観・優先度は人それぞれですし、自由診療ですのでご本人が納得されていれば金額は問題ではないと思いますが、ご自分の水晶体と使用予定の眼内レンズの機能を比較した場合の、優る点と劣る点をしっかり理解されてから手術に臨まれることをお勧め致します。
当院では、これまでもこれからも、自由診療レンズを第1に提案したり、こちらから選定療養多焦点レンズを勧めることはしておりません。申し訳ございませんが、通常の術前説明でも、ご希望されないかぎり自由診療レンズには触れておりません。もちろん手術をご予約された方には、保険診療・選定療養・自由診療すべてのレンズに関する情報を記載した説明用紙と、希望の術後の見え方を記載いただく術前アンケート用紙をお渡ししておりますので、選定療養・自由診療レンズでの手術をご検討されている方は、アンケート用紙内の多焦点レンズ希望有無のチェック欄にご記入のほどお願い致します。