【白内障手術症例㉒】最強度近視:単焦点レンズ・モノビジョン
外傷後クモ膜下出血後より両眼の視力低下が急速に進行したとのことで、白内障のセカンドオピニオン目的にて初診されました。-20Dを超える最強度近視の方であり、核白内障はグレード4とかなり進行しておりましたが、黄斑部に明らかな異常は認めず白内障手術による視力改善が期待でき、手術加療を勧めさせていただきました。
ご職業は作家さんであり日常生活でデスクワークを優先され、強度近視性の視神経障害も疑われたため、近方に焦点を合わせた単焦点での手術をお勧めさせていただきました。しかしながら多焦点レンズも捨てがたいようでしたので、もともとの左右差を活かして軽度モノビジョンをご提案させていただきました。
強度近視のほかに外傷による白内障進行の可能性もありチン氏帯脆弱のリスクもありましたが、手術は特に問題なく終えることができました。術後も単焦点ながら多焦点レンズのように遠近とも見えることに大変満足していただきました。
術後遠方裸眼視力は右0.5p、左1.0pとかなり差があるように見えますが、実際の屈折度の差は1.0Dのみですので、クラクラするようなこともありませんし眼鏡装用も十分可能な左右差です。近方も裸眼で右1.2p、左0.9と良好で現在は眼鏡なしで生活されているとのことです。モノビジョンは誰もが適応できるわけではありませんが、患者様の特性に合わせて適応を判断することでメリットをもたらすことができますので、お気軽にご相談ください。
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