【白内障手術症例⑮】 前嚢下白内障 (焦点深度拡張型多焦点:シンフォニー 眼科医師 片眼手術)
私の先輩の眼科医で片眼性の前嚢下白内障の方です。先進医療保険に加入されており、多焦点レンズの適応含め相談されたいとのことでした。ご自身も、白内障をはじめとした顕微鏡下手術を執刀されているため、そちらを考慮した目標屈折度とレンズ選択をさせていただきました。片眼のみの手術ですが僚眼はほとんど白内障もなく、コンタクトレンズにて良好な遠方視力で、術眼は角膜高次収差もなく非優位眼でしたので、多焦点レンズ適応ありと判断させていただきました。
白内障手術を熟知されている先輩眼科ドクターに対する手術ですので、術中何をしているか、逐一専門用語で解説しながらの緊張感ある手術となりましたが、いつもどおり問題なく終えることができ、「家で右目のコンタクトはずしても眼鏡が要らなくなりました!」と術後は大変喜んでいただきました。
先日の学会でも、眼科医が多焦点レンズを使用しても従来と変わらぬ医療が可能であるとの報告がありましたが、先輩ドクターも術後全く問題なく以前にも増してバリバリと手術を行われているとのことです。いずれ僚眼も白内障手術を受けることになるかと思われますが、その頃にはハロ・グレアもなく、遠くも近くもオートフォーカスのように連続的によく見える多焦点眼内レンズが開発されていることを期待します。