診療内容

白内障手術症例集
多焦点眼内レンズ

文京区40代女性 白内障手術症例⑮ (眼科医師・焦点深度拡張型多焦点レンズ:テクニス シンフォニー)

  • 術前

    右眼
    遠見:0.1(1.5)

    左眼
    遠見:0.3(0.5)

  • 術後

    右眼
    手術なし

    左眼
    遠見:0.9(1.5)
    近見:1.0(n.c)

私の先輩眼科医で片眼性の前嚢下白内障の方が、多焦点レンズの適応含め相談したいと来院されました。比較的若い方の前嚢下混濁の場合、外傷性やアトピー性を疑いますがどちらも心当たりはないとのことでした。
ご自身も、白内障をはじめとした顕微鏡下手術を執刀されているため、そちらを考慮したレンズ選択をさせていただきました。見え方の質としては、現時点ではハログレアのない単焦点≧ミニウェル>シンフォニー>3焦点レンズの順と考えられますが、術眼が非優位眼であり、もともと両眼とも-2.5D程度の近視でソフトコンタクトレンズ(SCL)ユーザーで、優位眼である僚眼はSCL装用にて1.2と視力良好でしたので(ときおり老眼鏡を使用)、多焦点レンズ適応ありと判断させていただきました。非優位眼である術眼の遠方裸眼視力は、僚眼のSCL矯正視力の1.2よりはやや劣ることになることは了承していただき、僚眼の裸眼近方焦点距離をカバーすることを優先して目標屈折度を決定しました。また、先進医療保険に加入されているとのことでしたので、メリット・デメリットを説明させていただいて、ご相談のうえ焦点深度拡張型テクニスシンフォニーを選択させていただきました。
白内障手術を熟知されている先輩眼科ドクターに対する手術ですので、術中何をしているか、料理番組のように逐一専門用語で解説しながらの緊張感ある手術でしたが、いつもどおり問題なく終えることができました。術中も痛みは全くなかったとのことで(※感じ方は個人差あると思います)、「家で右目のコンタクトはずしても眼鏡が要らなくなりました!」と大変喜んでいただきました。
先日の学会でも、眼科医が多焦点レンズを使用しても従来と変わらぬ医療が可能であるとの報告がありましたが、先輩ドクターも術後全く問題なく以前にも増してバリバリと手術を行われているとのことです。いずれ僚眼も白内障手術を受けることになるかと思われますが、その頃はハロ・グレアもなく、遠くも近くもオートフォーカスのように連続的によく見える多焦点眼内レンズが開発されていることを期待します。

Q.手術前はどのような状態でしたか?

霞んではっきり見えないので、ストレスフルでした。

Q.手術を受けようとしたきっかけは何ですか?

次第にうっとうしくなってきていて、きっかけは特にありませんが、仕事(眼科医)を優先したいため、もうやるしかないと思いました。

Q.手術中に痛みはありましたか?

全然ありませんでした。

Q.手術後の見え方はいかがですか?

近くも遠くもばっちりです!

Q.日常生活(お仕事、運転、スポーツなど)で変わったことはありますか?

家で眼鏡をかけなくてもよくなりました。

Q.多焦点レンズと単焦点レンズのどちらを選ばれましたか?

諸星先生に眼内レンズの性質をご丁寧に説明していただきました。多焦点レンズの中でも選択肢がありましたが、納得して決めることが出来ました。

Q.同じような症状で困っている患者さんがいるなら、手術を勧めますか?

勧めます!!ぜひ!