【Clareon PanOptix Pro(クラレオン パンオプティクスプロ)先行使用のお知らせ】
本日ようやく日程が確定されましたので、Clareon PanOptix Pro(パンオプティクスプロ)の先行使用をアナウンスさせていただきます。
アルコン社の3焦点眼内レンズであるPanOptix(パンオプティクス)は、2019年の国内登場から早いもので既に6年以上経過し、当院でも前アクリソフモデルの発売当初から相当数使用し、眼鏡フリーを目的とする方の第1選択肢として、信頼性の高い(当院で入念に最適化を重ねた)多焦点レンズです。中間焦点距離をデスクワークに最適な60cmに設置した点が特徴であり、2022年には世界で100万眼、2025年には300万眼移植を突破し、世界で最も使用されている3焦点眼内レンズの地位を不動のものとしております。症例数が多いこと=良いレンズという意味にはなりませんが、患者層の影響を受けにくい、つまり万人受けしやすく比較的誰でも使いこなせる=見える、幅広いニーズに対応できるレンズという解釈はできます。
そしてこの度、そのパンオプティクスの上位互換にあたるPanOptix Pro(パンオプティクスプロ)が選定療養対象レンズとして国内承認され、当院では2026年1月8日より先行使用を開始させていただきます。
アルコン社のパンオプティクスプロの米国オフィシャルサイトはこちら
パンオプティクスプロの詳細は随時掲載させていただきますが、光エネルギーの損失を、回折型レンズでは最高レベルの6%(従来は12%)に抑えることで、下図のように全体的なコントラストの底上げ、特に1m前後の中間と40cm付近の上昇を可能とし、いわゆる4焦点レンズに値するスペックを実現しています。

これまでの回折型3焦点レンズは、構造上いずれも1メートル付近の落ち込みは避けることはできませんでした。自由診療レンズになりますが、おそらく対抗馬になるであろう3焦点プラス(5焦点?)であるHanita社のINTENSITY(インテンシティ)は、その中では唯一その落ち込みが少なく、光エネルギーの損失も6.5%と、パンオプティクスプロとほぼ同等のスペックであることは以前お伝えしたとおりです。インテンシティは回折型レンズの中ではコントラストが良好であり、術者には使いやすいレンズですので、当院でもご希望の方には使用し非常に満足していただいておりますが、やはり回折型レンズが避けては通れないハログレアといった夜間不快光視現象は少ないながらも認め、他院術後の方で、焦点深度拡張型(EDOF)レンズへの入れ替えの経験もあります。その点、光学部6.0mm全面に回折格子が入るインテンシティに対して、従来の中心4.5mm径に限局した構造を継承したパンオプティクスプロの方が、夜間不快光視現象がより少ないことを個人的には期待しております。また学術的な報告はまだありませんが、パンオプティクスに比して近方加入度数は変わらないものの、光利用率が94%と大幅に上昇した点も、無駄な光のロスとしての散乱光の減弱により、上記の夜間不快光視現象が少なくなってくれていると良いなと期待しております。
なお、乱視用の使用開始はもうしばらく先になりますので、先行使用は角膜乱視の少ない方が対象になります。
ご自身への適応含め、眼鏡フリーの生活を目標とされている方はお気軽にご相談ください。





