【白内障手術症例No.85】 杉並区60代男性 遠視眼 Mix-and-Match:ミックス&マッチ (左眼:パンオプティクス⇒右眼:Vivity:ビビティ)
左眼にパンオプティクス・右眼にVivity:ビビティのMix-and-Match:ミックス&マッチの症例です。
術前アンケートでは、プロのギター奏者であり楽譜距離を優先したいが、強いハログレアは避けたいとのことで、まずは非優位眼の左眼にパンオプティクスを使用して手術を行いました。
術後4日目の左眼裸眼視力は遠方1.5/近方1.5pと遠近とも大変良好でしたが、「夜間の遠方の光がギラギラして気になる」との訴え強く、ご相談の上、右眼はVivity:ビビティを用いてのMix-and-Match:ミックス&マッチの手術となりました。
右眼の術後裸眼視力も遠方1.5/近方1.0pと予想以上に近方視力が良好でしたが、術後1ヵ月ほどは左眼の夜間の異常光視症が若干気になっているご様子でした。
当院のこれまでの経験では、、先にパンオプティクスを挿入してハログレアを不満に感じたため僚眼にVivityを用いた場合は、術後も比較的パンオプティクスの異常光視症を感じやすく、先にVivityを挿入して近見に不満を感じたため僚眼にパンオプティクスを用いた場合は、Vivityの近見不満もパンオプティクスの異常光視症も感じにくい傾向があることが分かりましたので、白内障の程度はもちろん乱視や術前屈折度など患者様の条件が許す場合は、Vivityを先に使用することにしております。こちらは医学的・眼科的というよりは、個々の性格や心理的な要素の方が多いかもしれませんが、先にVivityを使用するということは、近見視力は弱くとも見え方のクオリティの良いVivityで満足してしまえば、両眼ともVivityを用いるという選択肢も残せるためマイナスな点はほとんどないかと思われます。
また最近では、Vivity/パンオプティクスのMix-and-Match:ミックス&マッチの視力は、両眼パンオプティクス眼と比べ同等(近方視力は両眼Vivityは有意に弱い)かつ、満足度はMix-and-Match:ミックス&マッチが1番高かったとの報告も出てきております(Journal of Cataract & Refractive Surgery 50(2):p 167-173, February 2024. )。
参考までに、Clareon素材の前身のAcrysof素材のVivityとPanOptixの単眼のDefocus Curve(改変)を掲載しておきます。両眼加算とは言え単純に両者の足し算になるわけはありませんが、マイナスになることはないのではと思われますので、適応含めご興味のある方はお気軽にご相談ください。
詳細はこちらへ
https://morohoshi-ganka.com/opeex/1566