【白内障手術症例㉕】緑内障発作後:単焦点レンズ・モノビジョン
右眼の一時的な重い感じと充血・視力不良を繰り返すとのことで初診され、眼圧が50mmHgと高値(正常は21mmHg以下)で緑内障発作を起こしていた印象深い方です。すぐに点滴とレーザー治療し発作を解除することで眼圧を下降させることができましたが、以降も水晶体の前方偏位による浅前房・狭隅角が進行したため、緑内障治療もかねての白内障手術となりました。
もともとお若い頃は遠くが眼鏡なしで見える眼だったようですが、右眼はチン小帯脆弱による水晶体前方偏位をきたしており-2.5D程度の近視化をきたしていました。一方、左眼は既に他院にて白内障手術を施行されておりほぼ正視(0D)であり、左眼で遠方・右眼で近方を見ること、つまりモノビジョンに慣れておられたので、患者様と相談の結果、右眼は現状の近視を残す単焦点レンズ選択をさせていただきました。
術中は予想通りチン小帯がとても弱く断裂のリスクもあり、眼内レンズ偏位予防のためにもCTR(カプセルテンションリング)を使用することで無事手術を終えることができました。術後もこれまでのとおりスムーズにモノビジョンに適応され、眼鏡なしで遠近とも見ることができると満足していただきました。
理想としては緑内障発作が起きてしまう前に手術される方がリスクは少ないので、特に短眼軸眼(老眼の強い眼)で白内障による視力障害がある方は早めの手術をお勧めします。。
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