診療内容

白内障手術症例集
多焦点眼内レンズ

杉並区60代男性 白内障手術症例#52 最強度近視(連続焦点型多焦点レンズ:テクニス シナジー TECNIS Synergy )

  • 術前

    右眼
    遠見:0.02(0.5)

    左眼
    遠見:0.03(1.2)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.5 (n.c.)
    近見:1.2p(n.c.)

    左眼
    遠見:1.5(n.c.)
    近見:1.5(n.c.)

3年ほど前から近医で白内障を指摘され、手術を検討しているため、レンズについても話を聞きたいと初診された方です。
両眼とも28.5mmを超える長眼軸眼(強度近視)であるうえに、右眼は進行した核白内障によりさらに近視化をきたしており、-15.0D程度の最強度近視になっていたため、お手持ちの眼鏡では0.06pしか見えていませんでした。可能であれば多焦点眼内レンズを希望しておられたため、それぞれのレンズの特徴と患者様のご希望を照らし合わせ、シナジーを用いた手術となりました。
通常強度近視の方は遠用眼鏡の使用は許容できても、近方は眼鏡なしで見たいと言われる方が多いのですが、この方は、どちらかといえば近方眼鏡使用はかまわないけれども、遠方はしっかり見たいとのことでしたので、まず進行した右眼は手加減せず遠方ピッタリに合わせた度数選択をさせていただきました。
前立腺薬(α阻害薬)を内服されており、やや散瞳不良でしたが、IFIS(術中虹彩緊張低下症候群)もそれほど認めず、手術は問題なく終了しました。
術後は翌日から裸眼遠方1.5/近方1.2と大変良好な視力であり、左眼も同様の目標屈折度をご希望され、右眼同様に裸眼遠方1.5/1.5との術後視視力に大変ご満足いただきました。近方30cm視力も0.8と良好であり、屈折ゼロに合わせたためか、懸念された夜間運転時のハロ・グレア・スターバーストもそれほど気にならないとのことでした。

右眼術前スリット写真       術前徹照写真
 

右眼術後スリット写真       術後徹照写真
 

この方は、術後アンケートに加えて『先生が詳しく説明しながら手術してくれるが「次○○するんだ!」とかえって身構えてしまうので、より緊張した。説明して欲しい人もいるだろうけれども、私の場合は知りたくないこともあった』と言われていました。私は通常「白内障の表面を丸くくり抜きます」「超音波で白内障を砕きます」「レンズを入れます」などと解説しながら手術しておりますが、確かに分からない内に手術を終えたいという方もおられると思いますので、本症例以降、術前説明の際に確認させていただくことと致しました。白内障手術は局所麻酔ですので、執刀医と患者様が協力することで、よりストレスの少ない手術が行えると思います。皆様もご質問やご要望は躊躇せずお気軽にお伝えください。

2021.09.23

Q.手術前はどのような状態でしたか?

右眼が眼鏡掛けても視力回復が出来ず、日常生活にも困っていた。
特に車運転時が不安であった。

Q.手術を受けようとしたきっかけは何ですか?

前の眼科で白内障手術を受ける時期ですと勧められ、調べて貴院に決めました。

Q.手術中に痛みはありましたか?

手術中はほとんど痛みはなかったが、右・左と1週間間隔でしたので、点眼を気をつける事などで多少負担がありました。

Q.手術後の見え方はいかがですか?

眼鏡をかけずに日常生活ができ大変良いです。
今まで近い所が眼に近づけて見ていたので、40㎝位離して見ることに慣れていません。

Q.日常生活(お仕事、運転、スポーツなど)で変わったことはありますか?

世の中が明るく、はっきり見えてきたので、早く受ければ良いと感じています。旅行や趣味のトレッキング・水泳を早くしたい。

Q.多焦点レンズと単焦点レンズのどちらを選ばれましたか?

先生に事前検査で非常に良く説明していただき(長所・短所)、また私の眼でも可能だと言う事、今後の生活を楽しむため最善をと思い多焦点レンズを選びました。

Q.同じような症状で困っている患者さんがいるなら、手術を勧めますか?

事前説明をしっかりしていただける事で是非勧めたいです。