診療内容

白内障手術症例集
多焦点眼内レンズ

小金井市50代男性 白内障手術症例㉓ 3焦点+焦点深度拡張型多焦点レンズ:Acriva Trinova(アクリバトリノバ)

  • 術前

    右眼
    遠見:0.7(1.2)
    近見:0.15(1.0)

    左眼
    遠見:0.7(1.2)
    近見:0.15(1.0)

  • 術後

    右眼
    遠見:1.5(n.c.)
    近見:1.0(n.c.)

    左眼
    遠見:1.5(n.c.)
    近見:1.0(n.c.)

皮質白内障による見えにくさと遠視と老眼による不自由を主訴に、多焦点レンズでの白内障手術希望にて初診された方です。著名なプロダクトデザイナーであり、先進医療適応にこだわらず見え方の質(Quality of Vision:QOV)をまず第1にレンズ選択を行いたいとのことでしたので、当初はミニウェル・レディをお勧めしておりました。しかし、デスクワークや読書時間が多いとのことであり、近見読書視力も重視されたいとのことで、ご本人より最新の3焦点レンズであるAcriva Trinova(アクリバトリノバ)をご提案いただきました。

Acriva Trinova(アクリバトリノバ)はオランダより輸入しての手術となりますので国内使用症例もまだ少ないレンズですが、ミニウェルよりも近見に強く、これまでの3焦点にはなかった焦点深度拡張機能プラスされいます。加えて構造の工夫によりハロ・グレアも大幅に改善されているようで、ミニウェルよりも患者様の希望にマッチすると判断し、アクリバトリノバのご提案を採用させていただいての手術となりました。

結果として術翌日より遠近とも視力の立ち上がりもよく、裸眼にて両眼とも遠方視力1.5近方視力1.0と非常に良好な視力を得ることできました。術後10日程度でフルマラソンを走られたとのことでヒヤヒヤしましたが、感染などの合併症もなく、仕事や趣味でのパフォーマンスが上がったと大変満足していただけました。患者様によるとグレアはほとんどなく、夜間のみわずかにハロを感じるようですが、支障をきたす程度のものではないとのことです。3焦点ですが焦点深度拡張機能も追加されているため、焦点間の見え方の落ち込みもなくスムーズであり、他の3焦点レンズよりも良好なQOVをもたらすことができる印象です。

下図は術後の徹照写真です。散瞳不良で恐縮ですが、左側シンフォニーの回折格子はエッジ()がシャープであることに比べ、右側アクリバトリノバでは、なだらかなカーブ構造になっていることが伝わるでしょうか?このように回折エッジ正弦波構造(カーブ構造)にすることによりハロ・グレアが軽減されています。

また、ご本人様より、ぜひ自分のようなAcriva Trinova(アクリバトリノバ)での白内障手術を検討されている方々の情報収集に役立ちたいと、長文の体験談(手記)をご提供いただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。
下記リンクより術中の様子や術後の見え方などの参考にしてください(PDF文書が開きます)。

https://morohoshi-ganka.com/Acriva Trinova(アクリバトリノバ)

 

Q.手術前はどのような状態でしたか?

白くぼやけて見える。
手元が見えにくい。

Q.手術を受けようとしたきっかけは何ですか?

多焦点の新しいレンズを見つけたから。

Q.手術中に痛みはありましたか?

無かった。押される感覚のみ。

Q.手術後の見え方はいかがですか?

手元も遠くもはっきり見える。
夜の荒光源のみ同心円のにじみが出る。
色とコントラストが良くなった。

Q.日常生活(お仕事、運転、スポーツなど)で変わったことはありますか?

デザイン、CADの仕事をしているので、仕事がストレスなくこなせる。
楽器をやるので、譜面が見える。読書量も元のように戻った。

Q.多焦点レンズと単焦点レンズのどちらを選ばれましたか?

眼鏡をかけたくないので、多焦点レンズを選んだ。

Q.同じような症状で困っている患者さんがいるなら、手術を勧めますか?

迷わず多焦点を勧めるが、夜の灯りのにじみだけ認識しておいた方が良いと思う。