診療内容

白内障手術症例集
単焦点眼内レンズ

杉並区60代女性 白内障手術症例⑯ (単焦点レンズ・強度近視)遠方あわせ

  • 術前

    右:0.03(0.6)

    左:0.02(0.3)

  • 術後

    右:1.2(1.5)

    左:1.0(1.5)

強度近視による核白内障と皮質混濁の方で、-10Dを超える最強度近視のハードコンタクトレンズ(HCL)ユーザーの症例です。通常、強い近視の方で単焦点レンズをご希望の場合は、眼内レンズの焦点を近方(-2~-3D=50~30cm程度)に合わせることが多いのですが、この方は近見はHCL上から老眼鏡を使用しておられ、趣味でプールに通っておられることもあり、これまでのライフスタイルに則した方が快適と考え、ご相談のうえ遠方に焦点を合わせることで納得していただきました。HCLによる角膜形状の変形がレンズ度数決定に影響を与えますので、大変だったと思いますが、術前には1週間HCL装用を中止してレンズ度数決定の検査に望んでいただきました。結果として術後屈折誤差もなく、これまで経験したことのなかった裸眼での遠方視力1.2に大変喜んでいただけました。
私が研修医だった約20年前は、特別な希望がないかぎり術後屈折度数は-1.0D(焦点距離1.0m)に合わせていた時代でしたが、現在は術後ただ見えればいいという時代から、より良い見え方の質が求められる時代に変化しています。患者様それぞれに重要視されるポイントも異なり、手術の安全性と同じくらい眼内レンズの種類・度数選択の重要性も高まってきていると思われます。「医師にお任せ」も悪くはありませんが、術前にご希望を医師にきちんと伝えておくことが、ご自身の術後満足度をより高めるためには重要だと思われます。専門家として、メリット・デメリットをご説明のうえ適切なレンズをご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

Q.手術前はどのような状態でしたか?

テレビの画面や数字が重なって見え、番組予約もテレビの近くでやっていました。
人の顔もはっきり見えなかったです。

Q.手術を受けようとしたきっかけは何ですか?

昨年秋の健診で左眼の白内障が5段階のうち2段階目と言われました。今春見えにくい症状が強くなったので決めました。

Q.手術中に痛みはありましたか?

痛みは無かったです。ドキドキとワクワクで緊張していたので、わからなかったのかもしれません。

Q.手術後の見え方はいかがですか?

小6から眼鏡をかけていたので、この年で人生が変わりました。遠くに合わせたので、老眼鏡が必要ですが全然平気です。

Q.日常生活(お仕事、運転、スポーツなど)で変わったことはありますか?

朝と寝る前のコンタクトケアの時間が無くなり幸せです。
プール内で人の顔も時計も良く見えるので、ジムも楽しいです。

Q.多焦点レンズと単焦点レンズのどちらを選ばれましたか?

値段が一番。保険診療の範囲内でこんなに完璧な視力になり幸せです。

Q.同じような症状で困っている患者さんがいるなら、手術を勧めますか?

みんなに勧めています。