診療内容

白内障手術症例集
多焦点眼内レンズ

杉並区50代男性 白内障手術症例⑨(焦点深度拡張型多焦点レンズ:テクニス シンフォニー)

  • 術前

    右目
    遠方:0.02(0.3)

    左目
    遠方:0.07(0.3)

  • 術後

    右目
    遠方:1.5(1.5)
    近方:1.0(1.2)

    左目
    遠方:1.5(1.5)
    近方:1.0(1.0)

白内障手術を受ける方の中では比較的お若い方ですが、両眼とも強度近視による核白内障が非常に進行し核硬度グレード4を超えていた症例です。
先進医療保険加入とのことであり当初より多焦点レンズをご希望されておりましたが、夜間運転やスポーツもされ、軽度緑内障性視神経萎縮もあるため、ハロ・グレアが少なく、従来の2焦点型の光エネルギーロス18%に対し、わずか8%程度と光量の減衰が少ない=コントラストが良好である、焦点深度拡張型(先進医療適応)の多焦点レンズ:テクニス シンフォニーをお勧めさせていただきました。
加入度数は+1.5Dであるため理論的には1/1.5メートル=約65センチより遠方がずっと見えるということになりますので、多焦点とはいえ一般的な読書距離である30センチを見るには軽い老眼鏡が必要になります。そこで患者様とご相談させていただき、遠方をやや犠牲にすることで(目標屈折度-0.50~-0.75D)、仕事で頻用されるパソコンも眼鏡なしで見える度数をご提案させていただきました。
長眼軸眼であり屈折誤差の発生リスクも考慮し、複数の眼内レンズ計算式を用いて度数決定した結果、左右とも裸眼で遠方1.5、近方1.0と目標以上の結果を得ることができました。
従来の2焦点型の回折型多焦点レンズと比べ術後すぐにスッキリと視力がでて、不確定要素である「慣れ」がほとんど必要ないこともメリットであると感じました。軽度乱視矯正効果もありますので、今後さらに適応者が増えるのではと思われます。

Q.手術前はどのような状態でしたか?

全体的に景色がぼやけ、月や信号は何重にも見えていました。また近眼も進み、人の顔やテレビがよく見えませんでした。

Q.手術を受けようとしたきっかけは何ですか?

夜間、自転車をこぐのにも人の姿がよく見えず危険を感じました。また、先生を信頼することが出来たため。

Q.手術中に痛みはありましたか?

目の奥をグッと押されるような圧迫感はありましたが、2度目は軽く感じられました。

Q.手術後の見え方はいかがですか?

遠近ともによく見えます。左目はぼやっとかすむことが感じられますが、少し経過をみていきたく思います。

Q.日常生活(お仕事、運転、スポーツなど)で変わったことはありますか?

パソコンや書類がよく見えるようになったため、仕事が効率的に行えるようになりました。夜間の自転車運転も安心して行えています。

Q.多焦点レンズと単焦点レンズのどちらを選ばれましたか?

メガネの必要がない生活を送りたかったため多焦点レンズ。

Q.同じような症状で困っている患者さんがいるなら、手術を勧めますか?

勧めます。