診療内容

ICLとは

ICL(フェイキックIOL)とは、小さく薄いレンズを目の中に入れて近視や乱視などを治療する視力矯正手術です。目の中にコンタクトレンズを埋め込むようなイメージというとわかりやすいのではないかと思います。
レンズはコラーゲンを含む人体に優しい柔らかい素材でできており、メンテナンスせずとも長く透明な状態を維持することから「眼内コンタクトレンズ」などと呼ぶ人もいます。

レンズは茶目(虹彩)の裏側、虹彩と水晶体との間の「後房」と呼ぶ位置に固定しますので、外見への影響はありません。日本ではまだ認可されたばかりで普及していませんが、約20年の歴史がある治療法で世界的には多くの手術が行われています。

ICLの対象となる方

手術適応となる主な条件

  • 21歳から45歳までの男女
  • -6D以上の近視の方
  • 現在白内障などの目の病気にかかっていない方
  • 妊娠・授乳期でない方

※その他事前検査結果によっては、手術を受けられない場合もありますので、一度ご相談ください。

こんな方にオススメです

  • 近視、遠視、乱視が強い方
  • 見え方の質にこだわりたい方
  • 角膜を削る治療に抵抗のある方
  • 強度近視などでレーシックができない方

ICLのメリットデメリット

ICLがどんなものかわかりやすいよう、ICLのメリットデメリットをまとめて紹介しています。

メリット

  • 角膜を削らないため、術後に元に戻すこともできます
  • メンテナンス不要で常時コンタクトをつけているのと同じような見え方が期待できます
  • 手術は両眼日帰りで受けられます
  • レーシックを受けられない近視の強い人でも手術を行うことができます
  • レーシックよりもクオリティの高い見え方が期待できます
  • UVカット機能がついているので、紫外線による目へのダメージを軽減できます
  • ドライアイの心配がほぼありません。

デメリット

  • 保険適用外の手術のため、自費診療となり治療費(主にレンズ代)が高額です。

ICLとレーシックの違い

同じ視力矯正手術であるレーシックと比較してICLをご紹介します。

ICLレーシック
1、
治療後の視界

強度近視の場合でも視界が鮮明。

度数が強い人ほど多く角膜を削ることになるため、角膜を深く削るほどぼやけて見えたり鮮明さが欠ける場合がある。

2、
ドライアイ
手術によってできる角膜切開創が3ミリと小さいため、ドライアイの原因になりにくい。角膜の広い範囲をレーザーで削るため、ドライアイになることがある。
3、
合併症・後遺症
サイズ不適合により白内障・緑内障のリスクがある。「再近視化」といわれる術後数年間で視力が少し近視ぎみに戻ってしまう傾向や、エクタジア(角膜拡張症)」という強い乱視をひきおこす後遺症のリスクがある。
4、
費用

約70万円

約20万円

5、
手術後に手術前の状態にもどせるかどうか
術後でもレンズを取り出せば元の状態に戻せる。 角膜を削るため、手術前の状態には戻せない。

ICL手術

ICL手術の仕組みをご紹介します。

STEP1
消毒と麻酔の目薬をした後で、目に3mmの小さな創を作ります
STEP2
折りたたんだレンズを目の中に入れます。
STEP3
レンズは目の中でゆっくり広がります。
STEP4
レンズを虹彩の後ろ側に挿入し、固定します。

ICL手術の流れ

ICL手術の流れをご紹介します。初診から手術までおおよそ2ヶ月程度かかります。

手術前日までの流れ

初診一般診療、目に病気がないかどうかなどを検査します。
術前検査ICL手術ができるかどうかや眼内に入れるレンズの度数を調べるための検査します。
手術3日前〜目にいる細菌の量を減らすために目薬をさしていただきます。
手術前日手術当日はお風呂に入れない場合があるため、前日に入浴と洗髪を済ませておいてください。

手術当日の流れ

来院前普段通りにお食事やお薬を飲んでいただけます。
来院後体温や血圧を測り、散瞳薬という瞳孔を広げる目薬を点眼します。
手術麻酔の目薬を点してから手術を開始します。
目の状態によりますが消毒や準備を含めても手術は両目で30分程度で終わります。
手術後術後の生活や薬の注意点を説明します。
安静眼帯なしで1時間安静にしていただきます。
診察再度医師が診察し、状態の安定が確認できましたら、お帰りいただけます。

術後の主な注意点

  • 手術した目を強く押さえないよう注意してください。
  • 当日は洗髪や洗顔をしないでください。
  • 当日は車の運転は控えてください。
  • 目薬を医師の指示に従って決められた回数点眼していただきます。
  • 細かな点については、直接ご説明いたします。

ICL手術の痛みについて

「目の中にレンズを入れる」というと怖いイメージがあると思いますが、麻酔をしてから行いますので、手術自体はほとんど痛みはありません。麻酔も注射ではなく、目薬で行います。ただ手術中、開瞼器とよばれる目を開けておくための器具を使うため、圧迫感や不快感を感じる場合はあるかもしれません。また、術後に軽い痛みや異物感を感じる場合もありますが、これは時間経過とともに改善します。

ICL手術の安全性

1厚生労働省が安全性と効果を認めた手術
ICLは、2010年2月に厚生労働省に認可されました。 世界では、1997年に欧州でCEマークを取得後、カナダ、韓国、アメリカ、中国など、70以上の国々で薬事承認・認可されています。
2世界的に多くの手術実績があります
世界中での症例実績は60万症例以上、その数は世界でも日本でも伸び続けています。日本での認可は2010年ですが、ICL自体は約20年の歴史がある治療法で世界的には多くの手術が行われています。
3豊富な実績を持つICL認定医が手術を行います
ICLは高度な技術が必要とされるため、メーカーにより技術認定を受けた医師のみが執刀を許可されています。当院では、ICL認定医である院長が手術を担当します。
4レンズがずれたり割れたりする心配はありません
ICLレンズは虹彩と水晶体の間に固定するため、よほど強い衝撃でなければズレることはありません。また、柔軟な素材でできているため、目の中で割れる心配もありません。
5数十年以上、目の中に入れていても安心な素材
ICLレンズは耐久性に優れている上、体の中で異物として認識されることなく拒絶反応を起こすリスクが低い優れた素材でできているため、一生眼の中に入れていても問題ありません。
将来、白内障手術が必要になった場合や、何らかのトラブルが生じても、比較的簡単に取り出すことが可能です。